詐欺~止むことのない特殊詐欺の手口と心理~

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特殊詐欺の状況

例年必ず1回は行う『ふれあい講座』で、いつもお世話になっている近くのおまわりさん(左入駐在所:菊田様)からも様々な詐欺の種類や対応の仕方を教えていただいておりますが、今回の5月会報で取り上げたのはこの中野町甲和町会で発生した架空請求詐欺の実例でした。
止むことのない詐欺被害についてもう少し掘り下げてみたいと思います。

特殊詐欺*の件数は年々増えて昨年は一昨年より実に約29%も増え、被害金額は注意喚起報道や金融機関窓口等の監視意識の向上などにより、一昨年より約4%減少しました。減少したといっても被害総額が390億円以上もあるので気が遠くなってしまう金額です。

この警察庁の分類で特殊詐欺*のうち、警察官や役所、弁護士等の信用されやすい職業をかたってキャッシュカードを直接受け取ったあとATMから引き出されたり、ATMに誘導させらりたりした『振り込め詐欺は』代表的な詐欺手法で、上記総被害金額の実に96%を占め、特殊詐欺≒振り込め詐欺と言えそうです。

なりすまし詐欺(オレオレ詐欺に代表される)
架空請求詐欺
融資保証金詐欺
還付金詐欺

の4種類に一応分類されている振り込め詐欺ですが、個々に調査すると少しづつ形を変えて、それこそ無数の詐欺が存在しています。

*特殊詐欺とは警察庁の定義では、先の『振り込め詐欺』以外の金融商品当取引名目、ギャンブル必勝名目、異性との交際斡旋名目詐欺を含めた総称を指すとしています。(警察庁の当該関連HPはここから

詐欺の歴史と現状

さて近年、発生件数と被害金額の多さで有名になったのは「オレオレ詐欺」ですが、最近の様に思えても実際のピークは2004年でしたから、すでに14年も昔の話になります。
歴史を遡ってみると、20世紀の初頭からすでになりすまし手口の詐欺の記録があるようです。当時はなるほど、電話ではなく電報を通信手段としていたとのことで、オレオレ詐欺も100年もの歴史があるとは驚きです。

オレオレ詐欺でもそれほど古い歴史を持つという事は、程度の差こそあれ『特殊詐欺』そのものは有史以来あったのかも知れません。
現在で特殊詐欺が年に認知件数だけで1.8万件以上発生していますので、氷山の一角と考えれば実態はその10倍くらいは発生していて、しかしすぐに見破って無視して、特に届け出もしないようなことがあるのではないでしょうか。

詐欺が無くならない、その心理とは?

例えが悪いですが、もしこの認知件数が殺人やテロ等の生存権を脅かすものや社会に大混乱を引き起こす重大犯罪であったらどうなるのでしょうか?直接生命を脅かす万人に分かり易い犯罪としてその撲滅のために関係機関だけではなく一般市民のすべてが真剣に対策を講じると思います。
一方、詐欺事件となると、心の片隅に騙される方にも落ち度があるんじゃないの?命まで取られるわけじゃないので、もし被害に遭ったとしたら、悔しいけどまぁ仕方ないと考えがちなのではないかと思われます。
このように、被害者の立場になっても最終的には諦めるしかないと自分自身を本気の主体者と考えられないところに盲点があるように思います。また反対に加害者の心理は、被害者がそう考えてくれるので罪の意識もそれほどなく安易に犯罪に手を染めるのだと思います。

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詐欺の本質的意味合い

何故なのでしょうか?
それは、詐欺の概念そのものを、日常にある軽いどちらかというと悪い程度の犯罪、極論すればお金があったので取られた、お金のある所から取っただけ程度にしか考えていないからです。
それじゃないと、年間2万件にも迫る犯罪を引き起こせるわけがないではないですか。もし、この犯罪を平気で犯す人間が捕まったら終身刑が普通の裁判所の判例だとしたらおそらくこの手の犯罪は激減するはずです。

では人を騙す詐欺行為は何がどういけないのでしょうか?

考えてみると、様々な状況・立場の人々が混然一体となって織りなす人間社会の関係性の中では、当然、ありとあらゆる様々な需要があり、その需要に応えるために対をなす供給があることで、社会の関係性が円滑に回っているのだと思います。
家族単位が集団で集まって互いに補い合って暮らしていた原始の村社会の頃、特に集団の総意ではなく、個々に発生する需要に対しての供給には何らかの食物だったり、行動などの形態で代償を支払い公平な需給バランスをとっていたのだとおもいます。
時代が進みこの集団が徐々に大きくなり役割などを分担して組織化されてくると、元々、ものによる代償の基準が不明確である欠点を上手に補完しあう共通の概念として人類は「お金」という分かり易い道具を発明しました。
そしてこの道具を使うことで簡単に公平な需給バランスとることに成功し、営々と破綻のない社会の関係性を築きあげてきたものと考えられます。
つまり一方が価値を提供し、他方がそれに見合った対価を払うというシステムを生活の中に導入することで、不満の出ない公平な需給バランスを現出させ人間社会の関係性を円満に回転させることができたのです。

不公平、考え込む老人

かなり昔から現代にいたるまでの社会関係の中で、常に何らか詐欺を働く人たちがいるという事実は、この公平な需給バランスの概念を破壊する人種がいるという事です。
何かの原因で、自分さえ良ければよく、他はあずかり知らぬと日常生活から公平の概念を理解する脳が欠落している人種、例えればオオカミに育てられた人間のように関係性の感覚がなく育ち生存本能欲だけで生きいる人種がいるという事です。

まとめ

『詐欺』とは、長い人類の歴史の中で争いのない社会を円滑に回転させるために築き上げられてきた公平な需給バランスを不公平なものに一瞬で突き落とし破壊する凶器といえます。
なぜなら、バランス概念を支える『対価』という重要な要素を破壊する道具だからです。

冷静に考えると『詐欺』は恐ろしい凶器であり、これを行使することは、明らかに社会の円滑なシステムを破壊するという重大な罪を犯すことになるので実行した人は単なる犯罪者ではなく重大犯罪者となるわけです。
したがって、本来人類が築き上げてきたバランスの歴史・伝統を振り返るとその罪は、とても軽犯罪などではなく終身刑相当の重さでなければなりません。
少し前に起きた相撲土俵の伝統問題よりもはるかに庶民の生活に密着し、とても長い伝統があるわけですから。

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